最後の花火に今年もなったな
夕方5時のチャイムさえも耳に入らなかった夏が、また過ぎようとしています。
今年こそは聞き逃すまいと、毎年のように口にしては、気づけば冬を耐え忍んで。
また、夏が来て。
夏への特別な感情は、願う事があるから果てがないのかも知れません。
限りなく夏が続いてくれたらと思うのも、そういうことなんでしょう。
そうだ。
今年の夏はひとつ変化がありました。
蝉の鳴き声を待ったんです。
蝉が鳴き始めるのを。
いつの間にかカーニバルのように鳴き始める蝉の重奏。
そろそろ鳴き始めるであろう頃から、毎日毎朝、耳を景色に傾けていました。
すると、しっかりと季節の声と共鳴することができました。
夏を捕らえました。
自分の中では確かに夏を始めることが出来ました。
“今日も夢中で駆けてみるけど
この手で引いた線すらまだ越えずにいる
「せーの」で始まる旅じゃないけど
位置について合図を待ってしまう
「いつか」
じゃなく
「こっちのほうから」”
Inspired by Allcock Harisman
あ、18時のチャイムが鳴りました。