BAND AID ~Get set~


親指が、らしくなったみたいなので、続き。

 


高校一年生の、とあるありふれた休み時間。

 

 

「バンドやろうぜ」

 


みたいな会話があったかどうかは記憶にありませんが、その人はボーカルとして誘ってきてくれました。

 


その人は、中学校時代からバンドをやっていたらしく、どこかこなれた感で誘ってきました。

 


GLAYくらいに戸惑いました。

 


確かにバンドへの憧れはありましたが、ボーカルがやりたいなんて言った覚えはないのです。
どちらかと言えば、ベースを黙々とやりたかったのです。

 

「いや、いいや」

 

言葉は確かではありませんが、断りました。
断ってしまいました。

 


それから数日後、その人はGLAYの誘惑くらいに再び誘ってきました。

 


「とりあえず、やってみるか」

 

で、始まりました。
初バンド。

 

曲のコピーするとのことで、覚えるようにとCDを渡されました。

 

 

なんやかんやで、初めてのスタジオ練習。

 

初めて生で聴く音に、「CDのまんまじゃん」なんて思ったのを鮮明に覚えています。
ただ「その人」には、経験に見合わない音が鳴っていたらしく、一度はギクシャクしたものです。


そのバンドも、それなりに年を経ました。
それなりに年表を書き連ねることの出来るバンドになりました。

 


突っ走っていました。

 

それが、いつの間にか冷え固まったピザのチーズになっていました。
温め直せばまたその時の、美味しい瞬間を立て直すことが出来たのでしょうけど、残念ながら、その時その術を誰も持ち合わせてはいませんでした。
そしてただの、青春と呼ばれる中の1節になりました。

 


それが、現在へのすべての始まり。
そして僕のすべて。

 

 

僕はずいぶんもの間、夢の手入れを忘れてきたみたいです。

 


だから、納得できないことなんてありません。
強がりではなくて、そりゃそうだよなの感覚。

 


昨日くんが聞いたら怒るだろうな。

 

 

ただ、いつだって、On your markです。