永遠ていう言葉なんて知らなかったよね
そりゃね、振り返ればそれなりに、先には進んでいるもんで。
少し目を離すと、すぐ甘えてくる。
そんな昨日と今日の関係が、意外と心地よかったりするのかな。
答えを求める間もなく、次には明日の質問が待っていて。
その繰り返し。
「ねえねえ今日くん、今日は何をなくした?」
「たぶん何もなくしてないと思うよ。昨日くん、どうしてそんなこと聞くんだい?」
「僕はね、今日という昨日と明日に何か忘れ物があって、ずっとなくしてきた気がするんだ。明日くんなんてさ、僕のことなんか見向きもしてくれないんだ。ひどいやつだと思わない?」
「でもさ、昨日くんがいてくれるからこそ、明日くんが前を見続けていられるんじゃないのかい?」
「それもそうだね。でもさ今日くん、君は僕らの間にいて、愚痴を聞くのは辛くないの?」
「どうしてそんなこと聞くんだい?いつだって同じ場所にいるよ」
「そんなことないよ。僕はね、ただ…君たちにとって僕はどんな存在なのかな…なんて。答えを求めるわけじゃないんだ。明日が知りたいわけじゃないんだ。ただ、僕と君たちとを分ける線が何なのかを知りたいだけなんだ。」
「…。」
「ずっと僕は君たちを見てきた。むしろ君たちが僕を作ってきた。時には捨て、時には物語にして、僕の所在はずっと君たちの中にあった。
でも今じゃそれがね、積み木になって痛んでるんだ。今日くん、君たちと僕の線はどこにあって、それを知るために僕はどうしたらいい?」
「そうだね。とりあえず寝て、
明日考えたらいいと思うよ。」